収録された讃美歌/聖歌について

使用されたオルガン、教会暦、該当讃美歌番号も

1
讃美歌I-94 教会暦 待降
和名 久しく待ちにし
洋名 VENI, VENI, EMMANUEL
作曲 13C Plain Chant from French Missal
楽器 Bell
待降(アドヴェント)の時期に広く歌われる。当演奏では初めは中世の聖歌である単旋律を生かし、曲が進むにしたがって後世につけられた「終止」を多用する近代的な声部を足していった。

2
讃美歌 21-233
教会暦 待降
和名 高く戸を上げよ
洋名 MACHT HOCH DIE TÜR
初出 Geistreiches Gesangbuch, 1704
楽器 Kasriel
待降(アドヴェント)。1623年に別の曲が付いた讃美歌として作られたが、1704年に現在の旋律と結びつき定着。後のブラームスなどにも通ずるドイツ然とした曲調。

3
讃美歌 II-96 21-229
教会暦 待降
和名 いまこそ来ませ
洋名 NUN KOMM, DER HEIDEN HEILAND
初出 Geystliches Gesangk Buchleyn, Wittenberg, 1524
楽器 Bell
待降(アドヴェント)。曲は中世に遡るとされるが、ルターが編曲し歌詞をドイツ語に訳し、会衆讃美歌となる。プロテスタント最初期の讃美歌の一つ。

4
讃美歌 教会福音讃美歌
教会暦 降誕
和名 降誕のキャロル
洋名 Nativity Carol
作曲 John Rutter, 1945-
楽器 Malcolm
降誕。ジョン・ラター(1945-, 英国)が1963年に作曲。親しみやすいメロディと心憎いハーモニーを持ち、英米圏を中心に欧米で広く歌われている。

5
讃美歌 II-89
教会暦 降誕
和名 この日 主うまれましぬ
洋名 HODIE CHRISTUS NATUS EST
作曲 グレゴリオ聖歌
楽器 Kasriel
降誕。グレゴリオ聖歌。変化音を交えながら歌われる第一旋法(ドリア)。

6
讃美歌 II-52
教会暦 公現(顕現)
和名 われらはきたりぬ
洋名 THREE KINGS OF ORIENT
作曲 John Henry Hopkins Jr., 1857(1820-1891)
楽器 Kasriel
公現(顕現)。東方の三博士がイエス・キリスト誕生に馳せ参じた様が歌われれている。アイルランドに生まれ米国に移り住んだジョン・ホプキンズ牧師により1857年ごろ作詞作曲された。

7
讃美歌 21-66
教会暦 洗礼
和名 父と子と聖霊の
洋名 O DASS ICH TAUSEND ZUNGEN HÄTTE
作曲 Johann B. König, 1691-1758
楽器 Bell
洗礼(バプテスマ)。18世紀ごろドイツにて作曲される。18~19世紀の敬虔主義的世情に合致し好んで歌われた。

8
讃美歌 Sixty Short Pieces
教会暦
和名 メロディ
洋名 MELODY
作曲 Flor Peeters, 1903-1986
楽器 Estey
ベルギーの作曲家/オルガン奏者、フロール・ペーテルス「60の小品集」より。1955年の作とされる。親しみある「メロディ」となっている。

9
讃美歌 Sixty Short Pieces
教会暦
和名 捧げもの
洋名 OFFRANDE
作曲 Flor Peeters, 1903-1986
楽器 Estey
フロール・ペーテルス「60の小品集」(1955)より。ドビュッシー以降の影響を感じさせる和声が見られる。“Melody”同様、エスティ・オルガンの中からチェレステの音色を使い音の揺らぎを表現している。

10
讃美歌 21-311
教会暦 受難
和名 血しおしたたる
洋名 HERZLICH TUT MICH VERLANGEN
作曲 Hans Leo Hassler, 1564-1612
楽器 Bell
元来はハンス・レオ・ハスラーによる世俗歌、恋の歌であったが、パウル・ゲルハルトの歌詞と結びついてからは受難週を代表する曲となり、バッハの「マタイ受難曲」でも繰り返し用いられる。

11
讃美歌 21-283
教会暦
和名 深い愛により
洋名 DEO GRACIAS (AGINCOURT)
作曲 イギリス民謡
楽器 Bell
1415年にヘンリー5世がアジンコートでフランス軍を破った記念に書かれたといわれる。歌詞は、15世紀当初はキリストの降誕を祝う歌として書かれたが、英訳や編集を経て「キリストの生涯」を凝縮した歌となった。

12
讃美歌 II-86
教会暦
和名 世の罪をのぞく
洋名 AGNUS DEI (CUM JUBILO)
作曲 10~13C グレゴリオ聖歌
楽器 Kasriel
曲は10~13世紀ごろに形作られたとされる。「神の子羊」(神羔誦)を歌った詞はセルギウスI世(687-701年)の時代にローマ典礼に取り入れられたといわれる。のちに歌詞の最後が「われらに平安を与えたまえ」と変わり、「平和の賛歌」として知られるようになる。

13
讃美歌 II-151 21-558
教会暦
和名 主よ、わが叫び
洋名 KING'S LYNN
作曲 イギリス民謡
楽器 Bell
英国の作曲家ヴォーン=ウィリアムズがイングランド民謡から編曲し1906年に発表。欧州大陸に比べ早くより3度、6度の和音に親しんできたとされる英国を感じさせる曲調。

14
讃美歌 21-332
教会暦 復活
和名 恐れを捨て去り
洋名 ARGENTINA (SOSA)
作曲 Pablo D. Sosa, 1933-
楽器 Bell
アルゼンチンのイースター讃美歌としてパブロ・ソサにより作曲されCENTRALと命名されるが、ARGENTINAの名で知られる。シンプルなe moll(エオリア)と思いきやh mollに一瞬終止し、Eのドリアのような旋律を見せる部分も現れる。

15
讃美歌 II-91
教会暦 復活
和名 われらのすぎこし
洋名 VICTIMAE PASCHALI
作曲 11世紀(?)グレゴリオ聖歌
楽器 Kasriel
11世紀にフランスで作曲されたとされる説が有力。移調された第一旋法(ドリア)を使用。トレント公会議にてセクエンツァの殆どが典礼で使用禁止となった際にも歌うことが許可された4曲のうちの1つ。

16
讃美歌 21-345
教会暦 ペンテコステ
和名 聖霊の力にあふれ
洋名 SHELDONIAN
作曲 Cyril Vl Taylor, 1907-1991
楽器 Malcolm
聖霊降臨日(ペンテコステ)。英国のシリル・V・テイラーの作曲で、ユニークなベースラインと転調を持つ。オーストラリアの歌集にも収録され親しまれているという。

17
讃美歌 II-92
教会暦 ペンテコステ
和名 よろこびことほげ
洋名 BEATA NOBIS GAUDIA
初出 Psaltrerium Chorale, 1510
楽器 Kasriel
聖霊降臨日(ペンテコステ)。1510年に南独で出版された曲集に収録される。中世とは異なるルネッサンス期の和声意識を感じさせてくれる。

18
讃美歌 21-207
教会暦
和名 ほめよ主を
洋名 DECATUR PLACE
作曲 Richard W. Dirksen, 1921-2003
楽器 Kasriel
米国の教会音楽家リチャード・W・ダークセンによる作曲。「アーメン」を除くコーラスの最後がI度ではなくV度で終わるなど、意趣に富んだものとなっている。この讃美歌は更に複雑な拍子を持つ原曲を簡明にしたものであるという。

19
讃美歌 I-4 148,24
教会暦 賛美
和名 よろずのくにびと
洋名 HERR GOTT, DICH LOBEN
作曲 Louis Bourgeois作, (Pseaumes de David, Gneve, 1551)出版
楽器 Bell
16世紀フランスのルイ・ブルジョワの作、もしくは民謡から編集したとされる。ジュネーブ詩編として早々に英国でも出版され英米でも広く親しまれる。当演奏では19世紀末ドイツで付けられた和声を用いた。